章爺の部屋

あの木綿豆腐はどこへ

あの木綿豆腐はどこへ

あの木綿豆腐はどこへ

A-5

 

5)-1
「夕食は何にする。」 と家内から聞かれて なぜか急に豆腐が
食べたいと思った。とっさに冷奴となにか豆腐料理をと要求した。
夕食には当方の望み通り豆腐の入った煮物とあえ物と冷奴

 

他が並べられた。満足であったが冷奴を 食べていてあれっと
思ったのである。何年もいや結婚して20年も豆腐を食べ
続けていたはずなのに冷奴が美味しくない。

 

自分で要求した性もあるのだろうが 改めて豆腐の味を
いまさらながら確かめてみるが 何か違う。  今までずっと
食べ続けて来て知っている味のはずなのに、、別に今まで

 

気にも留めて来なかったようである。しかしながら とにかく
自分が小さい頃 食べていた豆腐と 全然違うことに気ずいた。
食べたいと思ったその瞬間に昔の味を思い出したのか?
≪  続 く  ≫

 

5)-2
いや食べたいと思ったのが 昔の豆腐の味だったのだろう。
とにかく今の豆腐はいわゆる表面がツルツルしていて
面になっている きれいだ。  味の甘味が薄いというより

 

無いと言った方が良いかもしれない。豆腐と言うよりどちらか
というとケーキだ。  家内に聞いたところ これは普通の豆腐で
木綿豆腐では無いと言う。

 

それではと言う事で次の日も 木綿豆腐を買って来させた。
確かに昨日の物よりわずかにではあるが表面に木綿の跡
らしき物はあるし 多少味も違っていた。しかしこれとて
自分の知っているあの豆腐ではない。とにかく大きさからして違う。
今の豆腐は昔の半分くらいだ。
                     ≪  続 く  ≫
5)-3
昔のあの豆腐は完全に木綿で濾した木綿布の跡が残っていて
大きくて硬くて 箸で割ると中は荒荒しくて醤油を垂らすと 
ジュワーと中まで染みていく あの豆腐だ。味には甘味があった。

 

今の豆腐は小さいし味に甘味が無い。 箸で簡単に割れるし
割れた面もきれいだ。 醤油を垂らすと中まで染みていかないし
割れた面を流れるだけだ。ほんとにケーキと言って良いくらいだ。

 

年を重ねて舌で感じる味が変わったのだろうか?いやそれに
してもあのちょっと 苦いような微妙な甘味は無くなっている。
食べたときのボソボソ感が無い。醤油の性だろうか?義母達に
言われて 九州の醤油と関東の醤油の味の違いに気ずいた
のは ほんの十数年前のことだが
                     ≪  続 く  ≫
5)-4
(義母達は九州の醤油は甘いと言ってわざわざ 九州から
取り寄せた事がある。)どうも醤油の味の性でもないらしい。
やはり違う。  天然ニガリだ、国産大豆だ、バイオ大豆

 

だと言っても、当方には さっぱりピンと来ない。
とにかく 食べたいのは 田舎で食べた 硬くて大きくて
ボソボソとした荒荒らしいあの甘い豆腐だ。 明治27年

 

生まれの 祖父は豆腐が大好きだった。あの大きな
豆腐1丁を醤油をかけて ほんとにうまそうに食べた。
祖父の使いと言えば 私はタバコと豆腐を買いに行く事

 

だったことを 今思い出している。大量生産と言う時代の
流れによって あの豆腐を作っているところは もう日本には
無いのだろう。残念だが 仕方の無い事なのだろう。 

 

蛇足をもう1つ 昔の牛乳は濃かった餃子は一皿7個だったのだ。
これも時代の流れによるものだろう なんのこっちゃ ではまた                                                             
                        ≪  終り  ≫

 

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